2019年5月12日
舌下免疫療法のお知らせ（スギ花粉症・ダニによるアレルギー性鼻炎に対する治療法）について
①舌下免疫療法とは？
春先にスギ花粉症、１年中ダニによるアレルギー性鼻炎の方は、これまでは抗アレルギー薬の内服・点鼻薬・点眼薬を症状緩和目的で使用していたと思われます。日本でも2012年よりシダトレン（スギ花粉症）、2013年よりミティキュア（ダニアレルギー性鼻炎）、2017年よりシダキュア（スギ花粉症）による舌下免疫療法が保険適応となっております。
この舌下免疫療法はいわば体質改善させて、これまでつらかった時期を楽に過ごせることを目標としており、約70-80%の方は内服ゼロ、あるいは内服薬を減量（他院で治療実施した方でステロイド内服が中止できたという方もいらっしゃいました）することが可能という報告があります（約20%の方には効果がないようです）。
舌下免疫療法によってアレルギーマーチを食い止めるという考え方があり、体質改善することで、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、スギやダニ以外のアレルギー性鼻炎についても症状緩和や発症予防に繋がることが期待されています。
抗アレルギー薬と異なり、治療効果が1日や1週間で判定できるわけではなく長期間の治療（推奨は3年以上とされています）が必要となりますが、スギなら次のシーズンには、ダニも数か月以内には効果が実感できます。
②舌下免疫療法のやり方
1日に1回、1分間のみ舌の下に薬を保持し、その後飲み込んでもらうのみです。
初回内服時のみ診察時に内服していただき反応を見ます。
③治療対象年齢
シダキュア（スギ用）もミティキュア（ダニ用）も小児の方にも保険適応として治療できますので、ご希望の方はご相談ください。いずれの薬も1分間舌の下に保持しておく必要があるため、可能な年齢になった際でもよいかと思われます。（3歳のお子さんに治療開始した経験をお持ちの医院もあるようです。）
④治療にかかる費用
3割負担の方で月2700円ほど（シダキュア）となります。
⑤その他
シダトレンは液体製剤のため冷蔵保存で開始直後は内服量の微調整が必要でしたが、シダキュアについては錠剤タイプとなり常温保存可能で、以前よりも治療が簡便となりうると思われます。また、シダトレンは今後製造中止となり、全てシダキュアへ移行する見込みです。
詳しく知りたい方はhttps://www.torii-alg.jp/へどうぞ（鳥居薬品株式会社のホームページです）